2005年04月22日
その3
【専門職として】疾走するメンセツカン。
もともとバイト時代からメンセツを手伝っていたこともあり、人事担当として募集から採用までを行うようになる。人事といっても新卒採用ではなく、フリーター、学生、中途などで選ぶというよりもいかに早く良い人材を安く集めるかがその活動のゴールであった。本社管轄以外にも全国にメンセツに出かけた。釧路 帯広 札幌 仙台 新潟 ひたちなか 水戸 つくば 土浦 鹿島 銚子 宇都宮 小山 佐野 館林 熊谷 高崎 長野 松本 上田 甲府 静岡 etc。
もともと鉄ちゃんだった彼にとって、無料で旅行できることはこの上ない喜びであった。
【終わり行く20代】さらば青春、こんにちはオヤジ
門前仲町のマンションを引き払い、小金井へ転居。
仕事も徐々に落ち着き始め、人間らしい生活が送れるようになる。
実家に帰るたびに、「嫁はまだか」と言われ、面接するスタッフの年代のギャップにショックを感じ、いよいよ目前に迫った三十路に目を背けることが出来なくなりはじめた。
2004年、会社がとあるイベントに出展することになった。そのときの会場運営、企画を任された彼は大きな事実にぶち当たる。
「スーツでのご参加はお断りします」
彼はこれまで普段着に一切気を使ったことが無かった。
初めてパルコで洋服を上から下までそろえた29歳の春であった。
【最後のあがき】自分にできることって何だろう?
仕事に追われ、彼女もいない、休みは家でごろごろ、ネットゲームにはまりかえってストレスを溜めるだめぽな日常。このままでは自分から仕事を取ると何も残らない。
彼は何を思ったか、博物館のボランティアをやろうと思い立つ。
研修を受け、GW明けから始めボランティア。
会社での日常が、ここでは非日常になる。
そんな感動を受けた彼は毎週せっせと通い始める。
投稿者 tokito : 12:57 | コメント (0) | トラックバック
2005年04月14日
その2
【1998年】素人小説家、ネットの海に出る
八王子の古本屋でバイトを始めた彼は、様々な出会いに恵まれ、書籍に囲まれる日常の中で自分の作品を書き始めた。
20代はじめの鬱憤がたまった気持ちを吐き出すかのように、最初は原稿用紙に、そして先輩の進めもありパソコンを始める。
かくして、ホームページに作品を公開するという目的の元に彼は独学でパソコンを覚え始めた。このとき振ってきた名前がトキトだった。
【浮上の兆し】売ることと暮らすこと
パソコンを一通りマスターした彼は、久しく行ってなかった大学の掲示板でパソコン販売のバイト募集を目にする。恐々踏み込んだ会社は綺麗で広く雰囲気も良く、今までの埃やゴキブリにまみれた職場とはまるで別世界であった。彼は量販店で販売を始め、もちまえの負けず嫌いが功を奏し、そこそこ実績を上げるようになる。月収30万円は恐ろしく甘美であった。
【似非社会人時代】アンバランスな思いの中で
まだ大学に籍を置きながら、パソコン販売の仕事で縁ができた会社で仕事をし、ネットで知りえた友人とオフ会をし、パソコンをいじり、釣りに出かけ、親には元気でやってると嘘をつき、地に足がつかないままの日々を過ごしたのだった。
そんな折、彼は友人のかんたろの個展に足を運んだ。木場・門前仲町の町並みに見入られ、いつかこの町に越そうと思った。
2000年、親に大学を7年目でギブアップすることを伝えた。
似非社会人は正社員となった。門前仲町に引っ越した
投稿者 tokito : 20:53 | コメント (2) | トラックバック
その1
店主の生い立ち(脚色一切無し・無修正)
【幼年期】4頭身の彼
広島で生まれてまもなく兵庫の西宮に移り住んだ。
頭が誰よりも大きく、転んだときは手をつく前に眉間を地面に叩きつけていた。
女の子と仲良く遊ぶおかっぱ頭の気の弱いオボッチャマだった彼に転機が訪れたのが広島への引越しだった。
【少年期】広島の夏は暑く、夕凪がおこる。夏の日差しを蓄えたコンクリートは風にその熱を奪われることなく、垂直に陽炎を立ち上らせる。ただでさえ頭がでかく表面積が広い彼は、外に出るや否や日射病になっていた。母親が「スキカル」でスポーツ刈りにしてくれなかったら、彼の脳みそはアンキモのように固形化していただろう。
彼は短髪の上に「カープ帽」を乗っけて、六段変則のライト&ウインカー付のチャリにまたがるると、突如として野生化へと驀進する。
彼の顔はすっかり日に焼けて、広島の赤い赤い夕焼けに映えていた。
【義務教育後期】中学での彼はケツの青いガキだった。
軟式テニス(ボールのゴム臭い匂いが好きだった)をやることと、テストでクラス一番になることが彼の中学生活だった。
あと、親父がこっそりと本棚の奥に隠していたフランス書院の小説にお世話になってのもこのころだ。(あれはわざとあそこに置いていたのだろうか?)
【進学後】彼は高校という狭くも心地よい温室で有頂天になっていた。
入学してからすぐに文化祭・体育祭・生徒会・部活と顔を出し、放課後には必ずどこかで何かをしているという支離滅裂な状況であった。
女性への好意、大人への憧れと反発、劣等感、妬み、悔しさ、それまでに感じなかったいろいろな思いにさいなまれながらも思い出が濃密に詰まった3年間を駆け抜けた。
【上京・都会デビュー】彼は首都東京の前にひれ伏した。
人が多い。何もかもが溢れている。地方都市で育ったちっぽけな彼のプライドは粉みじんに飛び散った。
喪失感を補うものとしてさして代わりになるものもなく、ただただ昔を懐かしみながら、のうのうと暮らしていた。せっかく受かった大学に入ってからのことについて、受験戦争は彼に何一つ教えてくれなかった。
【脱落直後】ドロップアウトその先には。
大学のキャンパスで突然に喪失感・孤独感に襲われた彼は入学3年目から学校に行かなかった。(実はそれだけではなく、いくつか要因はあるのだが)半フリーターとしての生活が始まった。まるで記憶喪失にもなったかのようにフラフラ止め処もない生活が始まった。